抜歯時の顎骨壊死のポーションペーパー

現在、骨粗鬆症の治療が多様化してきています。

そして、有効な治療が多く行われるようになってきています。

適切な治療を定期的に継続して行うことで、骨粗鬆症の進行の予防ができ、骨折の予防も可能になってきています。

その治療の柱に、ビスフォスフォネート製剤での治療があります。

10年ぐらいに前に、ビスフォスフォネート製剤での治療を行いながら、抜歯を行うと顎骨壊死になる可能性があると言われていました。

そのエビデンスは乏しいものでした。

2012年に顎骨壊死のポーションペーパーが発行されて、3年以内の投薬期間であれば、顎骨壊死のリスクは少ない休薬の必要性はないということが記載されています。

2016年度のポーショペーパーでは、投薬期間が4年未満であれば休薬は必要ないとの見解になっています。

残念ながら、歯科の先生方には、この知見が広がっていないように感じることがあります。

参考までに、ポーションペーパーのリンクを貼っておきます。

参考にしていただければと思います。

先日の神奈川骨粗鬆症フォーラムで、松本歯科大学の田口先生は、ビスフォスフォネート製剤の休薬に関しては、顎骨壊死の予防に対するエビデンスがないことをお話しになられていました。

むしろ、むやみやたらに、休薬をすることで、抜歯の原疾患の歯周病や歯槽膿漏の悪化につながる可能性もあることをお話しになられていました。

ぜひ、ポーションペーパーを参考にしていただければと思います。

骨折が原因で寝たきりになる方が、寝たきりの十数パーセントと言われています。

それが、適切な骨粗鬆症の治療で予防が可能になるわけです。

日本の元気のために!

骨が元気だといいと願うこの頃です。

http://www.perio.jp/file/news/info_160926.pdf

http://jsbmr.umin.jp/guide/pdf/bronjpositionpaper2012.pdf