「SEA IS A LADY 2017」を聴く

先日、発売になった、角松敏生さんの新譜です。

約三十年近くに発表した角松さんのぎたーをメインチューンしたインストのアルバムを、いまの技術でリテイクとイメイクしたものです。

アレンジは、前作とほぼ同じ。

楽器、音の重ね方、ミュージシャンは、いまの角松さんが関わっているバックミュージシャンの中のベストメンバーによるベストプレイ。

同じ曲を今の角松さんだったら、という作り方をしたアルバムは聞き応えがあります。

三十年の経験がプラスされて出来上がったアルバムは素晴らしいとしか言いようがありません。

バックミュージシャンとプレイが素晴らしいのは、聴けば、誰でも理解ができるもの。

相変わらず、本田雅人さんの天才的なサックスも素晴らしいソロパートで印象的になっています。

ライナーノートには、老眼鏡で読んでも、読みにくいぐらい、小さいフォントで、余すことなく解説が、自身で書かれています。

ファンは、このライナーを読んだだけでも、あの名作は、そんな感じ、そんな気持ち、そんなシュチュエーションで思い浮かんだことを表現したものだったんだ?

あの女性の名前は誰なんだ?

そんな謎にも答える解説は、作品を聴く楽しみを増してくれます。

ご本人曰く、前作は、コンピューターでのエフェクト最大限に効かせた作品とのことでしたが、今回は、楽器そのものをメインに効かせるものに仕上げたとのことですが、正に、各楽器のソロパートだけでも、聞き応えは十分以上のものになっています。

もちろん、角松さん自身のギタープレイも、素晴らしいとしか言いようがありません。

レスポールなどを用いて、ジャジーなギタープレイは、今までの角松さんのギターからバージョンアップをした新たな魅力を感じさせてくれます。

楽器そのものの音は、人間の耳と身体の中に、優しく響いてくれるものです。

前作のような、突き刺さってくる、心臓を高揚させるような音とは違っていますが、どんな場所で聴いても、どんなメディアで聴いても、どんなシュチュエーションにもシンクロする音は、大人の世代にはたまらないものになっていると思います。

角松さんと共に、大人になった自分を感じられるアルバムと音になっています。

あの曲が、ニューヨークであったり、私の大好きな神戸の夜景であったり、そんな場面で作られたものであったことを知ってしまってからこのアルバムを聴いてしまうと、あのころの青春を取り戻しに行きたくなりますね。

初回限定盤にはスタジオ録りの曲のBlu-rayもついてきて、マニアと音楽好きにはたまらないおまけになっています。

36年目の角松さんのアルバムですが、40周年に向けた、オリジナルアルバムの制作も望まれるところですね。

今回のリテイクは、耳に優しい仕上がりですが、前作も素晴らしいアルバム、名曲たちであることは間違いがありません。

実は、原作のアルバムの曲たちは私のこよなく愛してきたエフヨコのエリアニュースやウェザーニュースのバックミュージックに使われていて耳に馴染みが深い曲が多かったですね。

もちろん、これからはリテイクされてバージョンアップした曲がインプットされていくのだと思います。

角松敏生さん、有難うございます。

これからも応援していきますし、これからの作品とご活躍も楽しみにしています。

「SEA IS A LADY 2017」は素敵なアルバムですよ? 

忘れ物を取りに戻れますね?

頑張ってきた方々におすすめのアルバムですね!